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Karl Lagerfeld

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シャーロットの姫君
book / SAI

「シャロットの姫君」チャールズ ロビンソン Charles Robinson 年代不詳 引用:【朝まだき、芒長き麦のさなかに 麦刈る人だけが 軽やかに響く歌声を耳にする キャメロットへと曲がりくねって 下る清らかな流れのかなたに 月の光に、疲れた刈り人は 麦の束を積み上げながら 高台の風に通う歌声を聞いてつぶやく「これがあのシャロットの姫君か…」と そこで姫は夜となく昼となく 色も鮮やかな織物を織る 耳元で声がささやく もし手を止めて その目でキャメロットの方を望めば 一つの呪いが降りかかると その呪いが何であるかも知らず 織り続ける、心に何の憂いもなく シャロットの姫君】



1866年出版の、アルフレッド・テニスン 「シャロットの姫君」は、ウィリアム・ホルマン・ハントの挿絵。シャロット姫は、1832年に作品化されたが、1842年に修正されている。ハワード・パイル、
バウレー(E.Bowley ボウレイ:画像部分)、アーサー・ヒューズ、ウィリアム・モー イグレイ(W. M. Egley)、ウォーターハウス、ロセッティなどをはじめ、挿絵や油彩画などと、作品の題材に多く使われている。


シャロットの姫君の物語をおおまかにたどる。

川岸の一筋の道にキャメロット城
ランスロット卿が住んでいる
中州の城のシャロット姫
ただ一人で住んでいる



ウィリアム・ホルマン・ハントの挿絵。クリックすると、もう一枚のウィリアム・ホルマン・ハント(Holman Hunt −Shalott−Manchester Art Gallery)の画像に変わります。引用:【広く涼やかな額は陽光に輝き磨き立てた蹄で軍馬は歩む 兜の下から流れ出る漆黒の巻き髪、馬の歩みに連れてキャメロットへ向かう道すがら 川の畔、岸辺よりその姿は清澄な鏡の中に映じる。川のほとりで、「ティラ、リラ…」と歌を口ずさむランスロット卿 織物の手を止め、機もうち捨て姫は進む、部屋の中を3歩 その目で咲き誇る睡蓮を見、ランスロット卿の兜と飾り羽を見た、そしてキャメロットを見おろした 織物は突然独りでに広がって 糸は千々に乱れた 鏡は真横にひび割れて 「ああ、呪いが私に降りかかった」シャロットの姫君は叫んだ 嵐の東風が吹き荒れ 生気の失せた木々は枯れ萎んでいく 広い川面は不安に波立ち、岸を洗い 低く垂れ込めた空からは雨が滴る 塔の並び立つキャメロットめがけて さまよい出た姫は柳の下に 寄る辺なく浮く孤舟を見つける 舳先に記す、シャロットの姫と】



部屋には景色が映る大鏡
その目でキャメロットを覗いたら
たちまち呪いはふりかかる
だから来る日も、織物織りばかり
鏡に映る恋人達 
ただ眺めては織ることに
シャロットは飽きて退屈になる

川のほとりで歌う声
それはある日のランスロット卿
織物の手を止め振り返る
三歩あるいて外を見た
睡蓮に
ランスロット卿
そしてキャメロット
とたんに呪いがふりかかる
織物は飛びひろがりて
鏡は横にひび割れて
糸が身体に絡みつく
ああ、呪いがわが身にと
シャロットは叫ぶ



ダンテ・ゲィブリエル・ロセッティ 引用:【遙かに塔の見おろす下、露台の下 庭園の壁、回廊を過ぎて はかない光りを宿して なきがらは漂った 軒高い家の狭間を 青ざめて言葉なく、キャメロットまで 人々は舟場に集まる 騎士も町人も、貴族も貴婦人も 舳先に読めるその名はシャロットの姫。誰だろう? なぜここに?ほど近い、灯火で輝く王宮も王侯のさざめきも絶え果てた。おそれて十字を切る者もある キャメロットに集う大勢の騎士達。されどランスロット卿、しばし瞑目し、いみじくもこうつぶやいた。「神のおん恵み、うるわしのシャロットの姫君に垂れたまわんことを」】



東風が吹きすさぶ
シャロットは城を飛び出して
ランスロット卿を追いかける
波に漂う捨小舟
キャメロットの岸へと流れいく
シャロットのいまわの歌が消えるころ
小船が岸に辿りつく
こと切れた姫が辿りつく
シャロットの躯をみたランスロット卿
しばし瞑想、祈りを捧げた
"She has a lovely face 
God in his mercy lend her grace,
The Lady of Shalott."
「神のおん恵みうるわし、シャーロットの姫君に垂れたまわんことを」

ンスロット卿とは、アーサー王の円卓の騎士の第一の勇者だ。ベンウィックのバン王の息子だが、湖の精 貴婦人を指す「The Lady of the Lake」に育てられた故、湖の騎士ともよばれる。妻エレインとは、魔法によって結婚し、のちのガラハッド卿が誕生するが、ランスロット卿は魔法と知り、エレインとは別れる。

「アストラットの百合の乙女」と呼ばれるエレインは、騎士ランスロットに恋焦がれて死に、躯を小船に乗せ、召使の舵とりで川を流れていく。エレインは二人いる。そしてシャロットの姫君と、「アストラットの百合の乙女」と呼ばれるエレインは別人。テニスンの「国王牧歌」(1859)に登場する人物だ。ちなみにランスロット卿が生涯愛したとされるのは、アーサー王の妃グウィネヴィア(ギネヴィア)だという。

グリムをはじめ、伝承されている物語にも、シャロットの姫君、アストラットの百合の乙女エレイン同様に、城の塔ですごす作品が多い。「
ペンタローネ 五日物語」、「IL PENTAMERONE」、「ペンタローネ 二日目 第一話」と同じ物語から、いろいろな情報を得られるので、一巡して読んでください。
Elaine of Astolat and the Lady of Shalott
↑ここから、エレイン、シャロットの姫君の画像を見ることができる。


グリムショー、ジョン・アトキンス(Grimshaw,John Atkinson)  引用:【嵐の東風が吹き荒れ 生気の失せた木々は枯れ萎んでいく 広い川面は不安に波立ち、岸を洗い 低く垂れ込めた空からは雨が滴る。塔の並び立つキャメロットめがけて さまよい出た姫は柳の下に 寄る辺なく浮く孤舟を見つける 舳先に記す、シャロットの姫と 冥く広がる川面彼方のキャメロットを、あたかも大胆な予言者が恍惚の極みに うつろな面もちでおのが凶運を見るがごとく 姫は見やった。日も暮れかかり、舟の舫を解き 小舟にうち伏すシャロットの姫君を 川の流れは滔々と彼方へ流した。賛美歌の調べ、悲しげに、また神々しく あるは高らかに、あるは密やかに歌う調べを耳にした。やがて血は緩やかに冷えて 塔のあるキャメロットを望んだ。その目は暗く、虚ろになった。波に乗って漂い着いた前に 水際の一軒の家 低くいまわの歌を歌いつつ みまかったシャロットの姫君】

ジョン・アトキンス・グリムショー 「シャロットの姫君」(部分)


さて、グリムショーは、もう一枚、エレーンを描いていたらしい。不思議な絵だ。先のリンクのエレーンと、こちらにリンクしたエレーンとを見比べてほしい。面白い。

次に紹介する坪内逍遥は、テニスンの「シャーロットの姫君」を邦訳しているが、夏目漱石は、薤露行(かいろこう)で、アーサー王伝説を題材にした作品を残した。ちなみに「題は古楽府(こがふ)中にある名の由に候。ご承知の通り『人生は薤上の露の如く晞(かわ)きやすし』と申す語より来り候。無論音にてカイロとよむつもりに候」とのことだそうだ。


二 鏡

ありのままなる浮世を見ず、鏡に写る浮世のみを見るシャロットの女は高き台(うてな)の中に只一人住む。活(い)ける世を鏡の裡(うち)にのみ知る者に、面(おもて)を合わす友のあるべき由なし。
 春恋し、春恋しと囀(さえ)ずる鳥の数々に、耳側(そばだ)てて木(こ)の葉(は)隠れの翼の色を見んと思えば、窓に向わずして壁に切り込む鏡に向う。鮮(あざ)やかに写る羽の色に日の色さえもそのままである。(略)

序文、1 夢〜4 罪までの全文は、こちら。
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)

以下は、 ハワード・パイル、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスほかの作品に加えて、シャロットの妖姫 邦訳 坪内逍遥 、アルフレッド・テニスン シャロット姫(1842年版)と邦訳を引用。Elizabeth Siddal. エリザベス・シダル、Frances Brundage、フランシス・ブランデージなどにもリンクしている。
 其の一

河の両辺に横はる
大麦及びライ麦の長やかなる畑地
此の畑 岡を覆ひ 又 空に接す
さて 此の畑を貫いて 道は走る
    多楼台のカメロット城へ
さて 上にまた下に 人は行く
うちながめつゝ 蓮咲くあたりを
島根に添うて かなた下手の
    シャロットの島といふ

垂柳はしろみ 白楊は顫ふ
そよ風は黒みてそよぐ
とこしなへに流れゆく河浪のうちに
河心の島根に添うて
    流れ/\て カメロットへ
四のしらけたる障壁と 四の白けたる高楼と
一帯の花野見おろし
此の寂寥たる島が根は蔵すなり
    彼のシャロットの妖しの姫を

岸のほとりを しだれ柳につゝまるゝ
重げなる大船ぞ すべる 牽かれて
徐歩の馬に さて 呼びかくる人もなく
此の船は飛ぶぞかし 綾の帆あげて
    走りつゝ カメロットへと
しかはあれど 誰れかは見つる 彼の姫の其の手をば打揮るを
若しくは かの窓の下に誰が見つる 立つ彼れを
はた 彼れはしも知らるゝや? なべて此のあたりの人に
    彼のシャロットの妖しの姫は

ひとり只 麦を刈る男らが 朝まだき麦狩りて
髯のびし大麦のうちに
歌うたふ声を聞くとぞ そは生き/\とひゞくなり
清けくくねり流れゆく かなたなる河辺より
    多楼台のカメロットへ
かくて 夜々の月の下に 疲れたる畑つ男が
束ねたる刈穂積みつゝ 風通ふ高き岡べに
其の耳をすまして聞きて ひそやかにつぶやくあり これぞかのシャロットの
    あやしの姫と

   其の二

画像をクリックしてください。I am Half-Sick of Shadows, said the Lady of Shalott 1916年 Art Gallery of Ontario, Toronto, Canada


そこに 彼の姫は よるも昼も
くしく怪しき綾を織る はでやかなる色したる
予《かね》ても彼れは聞きつ そこともなくさゝやく声を
身の上にまがつひあらんと 若し曾て手をとゞめば
    かなたカメロットを見やらんとて
彼れは知らず そのまがつひのいかならんものかをも
されば たゆまずも綾織りて
ほかの心絶えてなし
    此のシャロットの妖しの姫は

さて かゆきかくゆき 一の明鏡のうちに
年中つねに其が前にかゝる明鏡のうちに
いそがしき浮世の影ぞ あらはるゝ
そこに眼に見る ほどちかき大路をば
    カメロットへ うねくれる
そこに 河水も 渦まきてまきめぐり
又 そこに あらくれる村のをのこも
きぬ赤き市の乙女も
    いでてゆく 此の島より

あるときは うれしげなる乙女子の一むれ
さては やすらかに駒あゆまする老法師
あるときは 羊飼ふ ちゞれ毛のわらべ
若しくは 長髪の小殿原 くれないのきぬ着たる
    通りゆく影ぞうつる 多楼台のカメロットへ
あるはまた 其の碧なす鏡のうちに
ものゝふぞ 駒に乗りくる ふたり また ふたり
あはれ まだひとりだに真心を傾けて此の姫にかしづく武士もなし
    此のシャロットの妖しの姫に

さはれ 姫はいつも/\綾ぎぬを織ることを楽しみとす
鏡なる怪しの影を織りいだすことを
けだし ともすれば さびしき夜半に
亡き人の野べ送りする行列 喪の服に鳥毛を飾り松明をともしつらね
     さてはとぶらひの楽を奏し カメロットさして練りゆきけり
又は 夕月の高うなれるころ
まだきのふけふ連れそひし若き男女の むつやかに打語りつゝ来たりけり
あはれ倦みはてつ影見るもと
    妖しの姫はいへりけり

   其の三

画像をクリックしてください。The Lady of Shalott 1894年 City Art Gallery, Leeds, England


矢ごろばかりに 姫が住む たかどのゝ軒端より
彼の人は騎馬にてゆきぬ 大麦の穂の間を
日の光 まばゆくも葉越しに射して
きらめきぬ 黄銅の胸当の上に
    勇敢なるサー・ランセロットが胸当の上に
一個の赤十字架のものゝふ 常に 一佳人の脚下に
跪座せり 彼れが持てる楯の面に
その楯 燦爛たり 黄ばめる畑に映じて
    はるかなるシャロットの島外に

珠玉を鏤めたる手づなは くまもなくきらめきぬ
とある連なれる星のやうに 我れ人の
懸かるを見る 彼の黄金なす天の河に
此の手綱に附けたる鈴 心浮き立つやうに鳴りひゞきぬ
    カメロットへ志して 彼れが駒を進めける時
また 其の盛飾せる革帯よりは つるされて
一のいみじき白がねの角ぶえぞ 懸かりたる
かくて 駒の進むにつれて 物の具は鏘々として鳴りわたりぬ
    かなたシャロットの島辺までも

なべて 青空の 雲もなく晴れたる日に
しげく珠玉もて飾られて 輝けり 鞍のなめし革は
兜も 兜の羽根飾りも
炎々たり 合して一団の猛火の如く
    カメロットへ志して 彼れが駒を進めける時
譬へば 折々に 彼の紫だつ夜半の雲を破りて
燦然たる 群星底に
さる長髯の光りものゝ かゞやく尾を長く牽きて
    此の孤島頭を過ぐるに似たり

彼れが広やかなる麗しき額は 日の光にかゞやきぬ
美しく磨きたる蹄もて 彼れが軍うまは 踏歩しゆきぬ
彼れが兜の下よりは 石ずみにもまがふ黒きちゞれ毛
房々と垂れかゝり流るゝ如くゆらめきぬ 其の駒の進むにつれて
    カメロットへとさしてゆく其の駒のすゝむにつれて
岸よりも また 河よりも
其の人の面影は ひらめきて映りけり 水晶の鏡のうちに
「テラ リラ」と 河辺にそうて
    歌ひけりサー・ランセロットは

姫は織り物を打棄てつ 姫は機をも打棄てつ
姫は居間を三あしあゆみつ
咲く蓮の花をも見つ
兜をも羽根をも見つ
    姫はカメロットを見わたしけり
突然 織り物はひるがへり 糸は八散してたゞよひぬ
憂然として明鏡は まッたゞなかより割れてけり
天罰 我が身にくだりぬと
    シャロットの姫は叫びけり

   其の四

画像をクリックしてください。The Lady of Shalott 1888年 Tate Britain


吹きしきるあらしだつ ひがし風に
青ぐろく黄ばめる森は 見るうちに 葉落ち痩せゆく
はゞ広き川の浪は 其の岸に 悲しくうめき
空はいと低うなりて すさまじく雨ふりそゝぐ
    多楼台のカメロットに
姫は高どのをおりきて しだれたる柳のかげに
主もなくたゞよへる 小さき舟を見いだしつ
さて 其の舟の舳のめぐりに 姫は書きぬ
    シャロットの島姫と

かくて 蒼茫たる川のあなたカメロットの方を
予《あらかじ》めおのがわざはひを知悉せる ある膽太き予言者の
斯うと観念せる時のやうに
玻璃の如き面地して
    姫はカメロットの方を見つめき
かくて その日のくれがたに
つなげるくさりを解きて 姫は舟底に 打臥しぬ
滔々たる河水は 姫を載せて はるかあなたへと流れ去りぬ
    此のシャロットの姫を載せて

打臥して 雪よりも白き衣きて
右に左に ゆた/\とひるがへる
かろやかに散りかゝる木の葉のしたに
さはがしき夜宴のもなかに
    姫はカメロットへ流れゆきぬ
さて 姫が乗れる舟の 垂柳の岡に添ひ麦畑の間を経て
めぐり/\て下りける時
城内の人々は いまはの歌をうたふ姫をきゝぬ
    歌うたふシャロットの姫を

聴きぬ 神の徳たゝふる歌を かなしうもたふとげなる
はじめは高く 後には低く歌はれし歌を
つひに 血はやう/\こほりて
多楼台のカメロットを ながめつめし姫が目は
    こと/″\く昏うなりにけり
蓋し流れ/\て とゞきしまへに
水涯なる第一屋に
いまはの歌をうたひつゝも 島姫はみまかりけり
    シャロットの島姫は

高どのゝ下を 露台の下を
園のついぢのほとりを 長廊のほとりを
かすかにきらめく姿となりて しかばねはたゞよひぬ
土気色に青ざめて 高き家々のひまを
    寂然と音もせで カメロットの城内まで
いでて来つ 波戸に 皆人
ものゝふも 市人も あて人も 女房も
かくて 船首に 皆読みぬ姫が名を
    シャロットの姫といふ

これはたそ? さてこゝにあるは何ぞ?
かくて程近き ともしびのかゞやける館に
あて人らが 夜遊のさはぎも歇みつ
人々は おぢて十字を切りぬ
    カメロットなる ものゝふは皆
しかはあれど ランセロットはしばし沈吟し
いひけらく このをみなのつら らうたし
神よ 大慈心もて 此の女子にめぐみを垂れてよ
    此のシャロットの姫にと

青空文庫作成ファイル:http://www.aozora.gr.jp/


"The Lady of Shalott" by Alfred Tennyson 1842


ハワード・パイル挿絵




On either side the river lie
Long fields of barley and of rye,
That clothe the wold and meet the sky;
And through the field the road run by
To many-tower'd Camelot;
And up and down the people go,
Gazing where the lilies blow
Round an island there below,
The island of Shalott.

Willows whiten, aspens quiver,
Little breezes dusk and shiver
Through the wave that runs for ever
By the island in the river
Flowing down to Camelot.
Four grey walls, and four grey towers,
Overlook a space of flowers,
And the silent isle imbowers
The Lady of Shalott.

By the margin, willow veil'd,
Slide the heavy barges trail'd
By slow horses; and unhail'd
The shallop flitteth silken-sail'd
Skimming down to Camelot:
But who hath seen her wave her hand?
Or at the casement seen her stand?
Or is she known in all the land,
The Lady of Shalott?

Only reapers, reaping early,
In among the bearded barley
Hear a song that echoes cheerly
From the river winding clearly;
Down to tower'd Camelot;
And by the moon the reaper weary,
Piling sheaves in uplands airy,
Listening, whispers, " 'Tis the fairy
The Lady of Shalott."

II

There she weaves by night and day
A magic web with colours gay.
She has heard a whisper say,
A curse is on her if she stay
To look down to Camelot.
She knows not what the curse may be,
And so she weaveth steadily,
And little other care hath she,
The Lady of Shalott.

And moving through a mirror clear
That hangs before her all the year,
Shadows of the world appear.
There she sees the highway near
Winding down to Camelot;
There the river eddy whirls,
And there the surly village churls,
And the red cloaks of market girls
Pass onward from Shalott.

Sometimes a troop of damsels glad,
An abbot on an ambling pad,
Sometimes a curly shepherd lad,
Or long-hair'd page in crimson clad
Goes by to tower'd Camelot;
And sometimes through the mirror blue
The knights come riding two and two.
She hath no loyal Knight and true,
The Lady of Shalott.

But in her web she still delights
To weave the mirror's magic sights,
For often through the silent nights
A funeral, with plumes and lights
And music, went to Camelot;
Or when the Moon was overhead,
Came two young lovers lately wed.
"I am half sick of shadows," said
The Lady of Shalott.

III

A bow-shot from her bower-eaves,
He rode between the barley sheaves,
The sun came dazzling thro' the leaves,
And flamed upon the brazen greaves
Of bold Sir Lancelot.
A red-cross knight for ever kneel'd
To a lady in his shield,
That sparkled on the yellow field,
Beside remote Shalott.

The gemmy bridle glitter'd free,
Like to some branch of stars we see
Hung in the golden Galaxy.
The bridle bells rang merrily
As he rode down to Camelot:
And from his blazon'd baldric slung
A mighty silver bugle hung,
And as he rode his armor rung
Beside remote Shalott.

All in the blue unclouded weather
Thick-jewell'd shone the saddle-leather,
The helmet and the helmet-feather
Burn'd like one burning flame together,
As he rode down to Camelot.
As often thro' the purple night,
Below the starry clusters bright,
Some bearded meteor, burning bright,
Moves over still Shalott.

His broad clear brow in sunlight glow'd;
On burnish'd hooves his war-horse trode;
From underneath his helmet flow'd
His coal-black curls as on he rode,
As he rode down to Camelot.
From the bank and from the river
He flashed into the crystal mirror,
"Tirra lirra," by the river
Sang Sir Lancelot.

She left the web, she left the loom,
She made three paces through the room,
She saw the water-lily bloom,
She saw the helmet and the plume,
She look'd down to Camelot.
Out flew the web and floated wide;
The mirror crack'd from side to side;
"The curse is come upon me," cried
The Lady of Shalott.

IV

ウィリアム・モー イグレイ William Mau Egley, The Lady of Shalott 1858


In the stormy east-wind straining,
The pale yellow woods were waning,
The broad stream in his banks complaining.
Heavily the low sky raining
Over tower'd Camelot;
Down she came and found a boat
Beneath a willow left afloat,
And around about the prow she wrote
The Lady of Shalott.

And down the river's dim expanse
Like some bold seer in a trance,
Seeing all his own mischance --
With a glassy countenance
Did she look to Camelot.
And at the closing of the day
She loosed the chain, and down she lay;
The broad stream bore her far away,
The Lady of Shalott.

Lying, robed in snowy white
That loosely flew to left and right --
The leaves upon her falling light --
Thro' the noises of the night,
She floated down to Camelot:
And as the boat-head wound along
The willowy hills and fields among,
They heard her singing her last song,
The Lady of Shalott.

Heard a carol, mournful, holy,
Chanted loudly, chanted lowly,
Till her blood was frozen slowly,
And her eyes were darkened wholly,
Turn'd to tower'd Camelot.
For ere she reach'd upon the tide
The first house by the water-side,
Singing in her song she died,
The Lady of Shalott.

Under tower and balcony,
By garden-wall and gallery,
A gleaming shape she floated by,
Dead-pale between the houses high,
Silent into Camelot.
Out upon the wharfs they came,
Knight and Burgher, Lord and Dame,
And around the prow they read her name,
The Lady of Shalott.

Who is this? And what is here?
And in the lighted palace near
Died the sound of royal cheer;
And they crossed themselves for fear,
All the Knights at Camelot;
But Lancelot mused a little space
He said, "She has a lovely face;
God in his mercy lend her grace,
The Lady of Shalott."

The Lady of Shalott

アルフレッド・テニスン 「シャロットの姫君」 ハワード・パイル挿絵 1881年

ハワード・パイル挿絵 アルフレッド・テニスン 「シャロットの姫君」1881年

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書籍左:ATKINSON GRIMSHAW - By Alexander Robertson - Hardback Book(ISBN: 0714825255)、右:Atkinson Grimshaw by ROBERTSON Alexander(ISBN 0714835757)

どちらも同じ著者のもの。著者がちがうのがこちら。Atkinson Grimshaw by Sandra Payne です。


 シャロットの女 作品画像

ジョン・アトキンス・グリムショーシャロットの女

John Atkinson Grimshaw - The Lady of Shalott (1875) Yale Center for British Art, Paul Mellon Collection

 ジョン・アトキンス・グリムショー
シャロットの女 1875年頃 個人所蔵



ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス シャロットの女


The Lady of Shalott  1888

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 部分 写真撮影
シャロットの女 1888年 テート ギャラリー

John William Waterhouse, Rome 1849 - London 1917, The Lady of Shalott, 1888, Oil on canvas, Tate, London, Gift of Sir Henry Tate, 1894, Photo © Tate, London 2009

追記 シャロットの女 1888年 テート ギャラリー 
美術書より テートギャラリー撮影の画像とあった


実物を観賞するまで、すっきりした作品を思い浮かべていたけれど、もっと深みがあった。撮影した写真は少し青みがかっている。

the Lady of Shalott 1916年 Art Gallery of Ontario

シャロットの乙女 1915 AGO(トロント)所蔵
 I am half-sick of shadows, said the lady of shalott
影の世界はうんざりとつぶやくシャロットの女


Rome 1849 London 1917 The Lady of Shalott  1894  Oil on canvas Leeds Art Gallery  Purchased in 1895 © Leeds Museums and Gallery  (City Art Gallery) The Bridgeman Art Gallery

シャロットの乙女 1894 リーズ市立美術館

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ますます古典に興味が沸きました。
「シャロットの女」、「シャーロットの女」で有名な書物と絵画ですが、やはり「シャロットの姫君」が似合いますね。

封建時代、女性差別、男性社会などで、よく取り上げられる題材です。

ですが、もっとも、The Lady の意味することをタイトルに用いないで、ジェンダー意識のテーマに用いてばかりですが、「The Lady」から民族学、伝承の考察も必要ですね。シャロットの姫君って、人間じゃないですよね。妖精?

きっと鏡が、呪いをかけたのですね。彼女に恋をしていたのでしょうか。

手を止めてはいけない、その目でキャメロットを見てはいけない。という囁き。アーサー王や円卓の騎士が揃う、魅力ある男性たちの方角ですね。

とにかく、じっくり読みたい1冊ですね。
(2006/12/11 11:36 PM)
妖精とエレインをアップしてくれたんだね。お疲れ。画像のほう、ありがとう。
xai (2006/12/12 7:28 PM)









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Sai が、「シャロット(シャーロット)の女」の題材を取り上げていた。原題は、「The Lady of Shalott」で、当時の「The Lady」とは、精霊を指すので、タイトルは「シャロットの姫君」としているところが憎いね、Sai。ちなみに、よく混同されるエレイン(エレーン)はこ
| remove | 2006/12/11 10:46 PM |
「春の夜」 この作品をみると、シェークスピア、妖精物語などを想像してしまいます。この作家ジョン・アトキンス・グリムショーは、リチャード・ダッドなどが描いたような妖精のほか、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス、ロセッティが得意とする、文学作品や
| Art de Vivre | 2006/12/12 12:26 AM |
John Atkinson Grimshaw (1868-1913) Whitby from Scotch Head 1879年 London Bridge - Half Tide 1884年 The Lighthouse At Scarborough 1877年 Whitby Docks 1876年 関連記事 風景画 黄茶系15点 エレイン?(エレーン) 妖精・エレーン ? 月光・街角 青系13点 シャロ
| 何の印象もないBlog | 2006/12/12 4:02 PM |
「尺度(メジャー)には尺度をもって報いる」というのは、シェイクスピアの「メジャー
| KAFKA | 2007/01/12 11:12 PM |
「過ぎ去りしけど忘れられざる」とでも訳すのでしょうか。 1873年のジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの「Gone, But Not Forgotten」です。 ウィリアム・ウォーターハウスでは、数点気に入っているものがありますが、その中の1枚です。 誓いや願い、死者への
| Life Style Concierge | 2007/01/12 11:13 PM |
「匣(はこ)」のほうがわかりやすいのかもしれません。1896年作のジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの「パンドラ」では、「匣」です。 匣鉢(さや)とは、匣も壷もある焼き物を保護するもの。そこから同じ意味で使われているのかもしれません。 さて、ギリシャ
| Noblesse Oblige | 2007/01/12 11:23 PM |
古典ギリシャのアポローニオス・ロディオスの叙事詩、「アルゴナウティカ」は、アルゴ船遠征物語ともいい、イアソンら、50人ほどの英雄達と、アルゴ船で東へ東へと、コルキスに遠征し、「Golden Fleece 黄金の羊の毛皮」(黄金の林檎説)を探しに行く。人類初の巨船の
| Magnum Photos Photographer | 2007/01/12 11:50 PM |
inoue くんが爆弾記事を書いてくれたおかげで、ラファエル前派に関係する画家の記事を見直したという、もとJOCOSOのみなさん。 ラファエル前派をはじめ世紀末の画家は、画集との色はやっぱり違うことも多いし、何枚か描いている作品の色をミックスしたよ
| art⇔Interactive⇔life | 2010/05/29 4:57 PM |
クピドとプシュケは本当にいつの時代にも描かれている作品ですが、このクピドとプシュケの場面をジョン・ウィリアム・ウォーターハウスも描いています。 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスのプシュケ Psyche Opening the Golden Box 1903 個人蔵John W
| Life Style Concierge | 2010/05/29 9:42 PM |
暫く爆睡していたお二人が、いきなりラファエル前派とジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの記事書き出した。 要するにこれまでネットの画像が、ポスターの色なのか、作品の色なのかお構いなくという作品画像に残念画っていたが、ようやくいい画像を見ることがで
| ComicStrip Jr | 2010/05/29 9:43 PM |
古代の抒情詩には必ず人魚とかセイレーンが登場する。航海での冒険が多いから。この作品は、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの「人魚」(John William Waterhouse 「The Mermaid」(1900)Royal Academy of Arts, London)です。 古典ギリシャのアポローニオス・
| Magnum Photos Photographer | 2010/05/29 9:46 PM |

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